指定港化に関して思うこと

産経ニュースから

国土交通省愛媛県四国中央市の三島川之江港に対し、30年ぶりに港湾運送事業法に基づく指定港化を打ち出したことで波紋が広がっている。国交省は「今後も荷物取扱量の増加が見込まれる」などとして荷主企業らに福利厚生のための分担金拠出などを課す指定港化を目指しているが、地元事業者は「新たな費用負担や規制は国際競争力を低下させる」と反発しており、調整は難航している。(橋本亮)

国際競争力を強めるために三島川之江港を指定港化するらしい。メリット・デメリットは

  • メリット
    • 港の施設を規格化することで海外の船が寄港しやすくなる
    • 荷主企業からの分担金で港湾労働者の福利厚生が充実
    • 港湾工事を行うことで地方の経済が活性化する
  • デメリット
    • 深夜労働が規制され、夜間の荷揚げができなくなる
    • 産業と密接に連携している現在の設備が使用出来なくなる。
    • 書類提出等の義務が発生するため迅速な対応が出来なくなる

 素人目からみてもこの政策は失敗すると思う。国土交通省は『海外の船舶は氏素性が分からない港より国の認可を受けている港を選ぶだろう』とか思ってるんだろうか。地元の企業からしてみれば、この企画、まさに「鳶に油揚げを攫われる」の言葉どおりのもの。三島川之江港は大王製紙丸住製紙が地元企業と協力して作り上げてきた港である。如何にコストを下げるかを考えた結果、港から工場に直接原料を運び込むためのラインを作り出した。貨物の積み込み現場では他の港より人手を減らすことでコストを抑えた。指定港化されると設備は無駄になり、人件費も増す。
 これまでの政府の動きを見ているとこれも利権がらみではないかと勘ぐってしまう。大王製紙から分担金を吸い上げて地方の土木建築会社にばら撒くのではないかと思われても仕方がない。港湾労働者の福利厚生に関しては、その地方で港湾責任者と労働者が話し合えば済むことだ。合理化をすすめ、原油高・円高と戦っている日本企業の成長を妨げるのが日本政府であってはならない。

指定港化に見られる改革への逆行と「公平」と言う名の悪魔 より

役人と言うのは頭が悪いから、「護送船団方式」の誤りを学習しない。

国は、競合を強化して、落ちこぼれるものは仕方がないという政策にしないと、国際競争力はどんどん落ちるばかりだ。

そういえば官民癒着の問題を生んだ護送船団方式とかありましたね。バブル期から国は全然成長していない気がする。